AIで完璧が作れる時代に、私が不完全なまま出すと決めた理由

AIに頼めば、整った文章や画像がすぐに手に入るようになりました。私自身も、AIを使う側のライターです。それでも最近の私は、「完璧に仕上げてから出す」より「少し不完全なまま出す」ほうを選んでいます。その理由を、自分の体験から書いてみます。

目次

現場で実際に起きていること

私はAIをかなり使っている側だと思います。2025年6月の時点で、ChatGPT・Gemini・Claudeなど複数のAIに同じ相談をして、答えを聞き比べる使い方をしていました。私はこれを「AIをはしごする」と呼んでいます。有料のサブスクは3つで、月3,000円ほどでした。

2025年7月には、下半期の理念を「自由・本質的な貢献・成長」の3つに言語化しました。このときも、生成AIとの壁打ちを使っています。考えを言葉にする場面でも、AIを使っているということです。

2025年6月には、人生で初めて公式LINEを作りました。リッチメニューの画像の作り方などがわからず、複数のAIに聞き比べながら進めて、完成までに半日かかりました。AIがあれば何でもすぐに終わる、というわけではありませんでした。

発信のほうも、思いどおりにいかないことがあります。2025年10月の時点で、YouTubeの夕方の放送は、毎回2〜3時間かけて作っても、まとまりが甘いまま出していました。

こうして並べると、うまくいっていない話に見えるかもしれません。ただ、「まとまりが甘いまま出す」ことについては、私なりの考えがあります。

なぜ不完全なまま出すのか

きっかけのひとつは、音声配信の録り方を変えたことでした。

私はVoicyで音声配信を続けてきました。2025年6月には配信が850回に到達して、次の目標を1,000回にしています。続けることを目標にすると、1回ごとの出来ばえより、止まらずに出し続けることのほうが大事だと私は感じています。

2025年7月、私はVoicyの収録スタイルを、撮り直しを重ねるやり方から、ワンカット撮りに変えました。ワンカットで録ると、話の間も、そのまま残ります。そのとき放送でこう話しています。

「少し間が空いてるぐらいの方が、ついていきやすい」

2025年10月には、56日間の休止を経てVoicyの放送を再開しました。916回目の放送で、目標は累計1,000回。このときも、編集なしの一発録りにしています。

そして2025年10月30日の放送では、こう話しました。

「AIやツールが進化して“完璧なもの”が簡単に作れる時代。だからこそ、今は『不完全なまま出す勇気』に価値がある」

「一発撮りで話すようになって気づいたのは、“うまさ”よりも“温度”が人の心に届くということ」

整えることは、AIに頼めばかなりのところまでできます。だからこそ、整いすぎていないところに、その人らしさが残るのだと私は感じています。

私はこう考えている

AIで整えられることが増えるほど、整っていないことのほうが情報になる。いまの私は、そう考えています。

完璧に整えられたものは、すごいなとは思ってもらえても、「自分にもできそう」とは思ってもらいにくい。私が発信で届けたいのは、感心よりも「一緒に頑張ろう」のほうです。私はこれまで約5年間で、500名以上の副業・フリーランス・働き方の相談に関わってきました。憧れより「自分にもできそう」と思ってもらえるほうが、行動につながると私は考えています。だから不完全さを残すことは、手抜きではなく、読んでくれる人との距離を近くするための判断だと思っています。

もうひとつ、関係する体験があります。

私は以前、「完璧を目指すより継続を目指せ」という言葉に出会いました。それをきっかけに完璧主義をやめて、タイピングの速度を上げたり、ツールを選び直したりして、時間を短くする方向に切り替えました。

AIが登場する前の時代に、私は独学から5年ほどで6,000記事を書けるようになりました。完璧な1本を目指して止まるより、続けることを選んだ先に、この本数があったのだと思います。

じゃあ、どうするか

私が実際にしていることを3つ書きます。

1. 時間を短くするのは「道具」に任せる

時間を短くする工夫は、いまも道具選びの延長にあります。キーボードは、HHKBの雪(白)モデルを使っています。年間1,700記事を書いた時期もあったので、打鍵感を大事にしています。

作業の区切りには、つまみを回す物理式のポモドーロタイマーを使っています。以前はスマホのアプリを使っていましたが、画面を見ると他のアプリを開いてしまうので、オフラインのものに変えました。仕事用のデスクにも物を置かず、パソコン・キーボード・マウス・ポモドーロタイマーだけにしています。

AIも、私にとってはこの「道具」の側にあります。いまは同じ質問を聞き比べるより、ClaudeとChatGPTを中心に使い分けて、ObsidianやNotionに置いた自分のノートを読み込ませ、仕事を進めるための作業を頼む形に変わっています。

2. AIに整えさせすぎない

もうひとつは、AIに整えさせすぎないことです。AIが整えてくれた文章でも、自分が「いいな」と思える内容になってから出すようにしています。そのうえで、「まずは出す」と決めて出します。完璧を目指して止まらないためです。

もし、AIで整えた文章が自分の言葉に聞こえないと感じたら、1か所だけでも、自分が話すときの言い方に戻してみよう。少し不格好になっても、そのほうが読む人には届くことがあると、私は思っています。

3. 続けられる働き方に変える

フリーランスになった当初の私は、休みなく毎日働いていました。いまは、完全にオフにする時間と、軽い作業だけをする時間を分ける働き方に変えています。

完璧を目指して全部の時間を仕事に使うより、続けられる形にしておくほうが、結果として出せるものは増えていくと私は感じています。不完全なまま出すことと、休む時間をつくることは、私の中ではつながっています。

でも大丈夫だと思う理由

「AIで完璧なものが作れるなら、不完全な自分の文章に意味はあるのかな」。そう感じる人もいるかもしれません。

私のスタートは、決して完璧ではありませんでした。大学を卒業して新卒で就いたのは、アパレル販売の仕事です。そこからフリーランスに転身しました。フリーランスになったばかりのころは文字単価0.5円の案件が多く、1,000字書いても500円でした。そこから書き続けた先に、先ほど書いた6,000記事がありました。

AIを使っていても、先ほど書いたように、初めての公式LINEには半日かかりましたし、YouTubeの放送もまとまりが甘いまま出していました。それでも、出したものは少しずつ積み重なっていきます。

完璧に整った1本が、AIで誰にでも作れるようになったからこそ、あなたの温度が残った1本には、ちゃんと意味があると思います。できる範囲で、少し不完全なまま出してみよう。私も、そうやって続けています。

これからライターを始める人は、最初に準備することをWebライターの始め方|初心者が最初に準備する3つのことにまとめています。発信を続けたい人は、WebライターにおすすめのSNSもあわせてどうぞ。

AIで浮いた時間の使い方についてはAIで浮いた時間を値下げに使わないと決めた理由に、自分の経験をAIに渡す仕組みについてはAI時代のライターが、経験を資産に変えるためにやったことに書いています。

よかったらシェアしてね!
目次